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Archive for August 2013
Emily Reo - Coast
本題の前ですが、今週公開されたTV on the Radioの新曲、Million Milesがよいです。
以前に公開されていた、疾走感のあるロックトラックMercyとは対極にあるシンフォニックバラッド。MVの内容と相まって、多分にサイケデリックかつユーフォリックな曲になっています。
環境活動家が、森で出会った怪しげな人からもらったお薬の布教者になって世界にその種をふりまいていくという、ちょっとアナーキーなビデオは必見だと思います。制作は、メンバーのキップによるものです。
曲を聴きながら、ふと、ユーフォリア(多幸感)という言葉について考えました。ドラッグの話ではありませんよ。どんなときにそれを得られるか、それは、愛を得たときでしょうか。夢がかなったときでしょうか。苦しみから解放されたときでしょうか。まあ、単純に友人とおしゃべりしていれば楽しい人もいれば、美しい風景を観る、芸術に触れるなどなど、人それぞれですね。
私の場合は、単純にいい曲を聴いていればそれはいつでもやってくるのですから、我ながら安上がりだなぁ、という簡単な結論にすぐ落ち着きました。それで、エスプレッソマシンで淹れたコーヒーでもあれば、もう文句はないのです。あとは、少しうるさすぎるこの蝉しぐれがやわらいでくれればさらに言うことないんですけどねぇ。
ということで、やっと本題に。今日はフロリダ中央部のオーランド出身のエレクトロガール、エミリー・レオ嬢です。4月に、シングルPeachを含む数曲入りのスプリットEP・カセットをリリースしたのを契機に、インディーポップレーベルElestial Soundと契約。このたび、彼女のここ3~4年で制作されたトラックをまとめた1stフルレングスOlive Juiceをリリースするそうです。そのうち、2曲が公開されています。とくに、Coastはまさにユーフォリックど真ん中の桃源郷ソングです。
1曲目のHappy Birthdayはビーチハウスのような浮遊感漂うドリーミーポップ、そして2曲目のCoastは突然曲調が変わり、TV Girlにも通じるチルウェイビーなバブルガムポップ。ループするロウなディスコビートが、緩やかに気分を押し上げてくれます。エミさんのさわやかなボーカルと、ヴォコーダーエフェクトによるハーモニーも素敵です。
フロリダ近隣のゆるいDIYシーンの中ではけっこう有名なシンセポップ少女だった彼女は、ベッドルームでカセットを自作したり、ときどきショーをしたりと、マイペースに活動を続けてきたようで、前述のスプリットEPは、その地元の仲間たちの曲もともに収録されています。日本ではなかなか、ローカルレベルでこういうインディーコミュニティを作る下地はなく、どこかしら都市部限定の動きにしかなりえないのは少し悲しいですが、それはもう絶対数の問題であって、私たちインディー音楽好きは、この文化こそ至高、究極のアートフォーム! とか思っているわけですが、周りはまったくそんなことは思っていないというのが現実なので、それを見つめたうえで、ニッチなカルチャーを愛していこうではありませんか。はぁはぁ、なんかいらない熱がこもってしまいましたが、自分に向けて書いてます。この文章。はい。あ、試聴はこのプレイヤーでできます。
最後に、こ、これがそんなフロリダのシーン!? って思ったら違った動画をあげておきます。
ロス、は怖いところですね。Cozy Castleって。Cozyだからって、ブリーフかぁ。。。
明日はちょっと近場でクールダウンしてきますー。
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Keep Shelly in Athens - Flyway
今日は風が強く、すでにこうべが重くなっている稲穂がそのせいでより傾いてしまっていました。軽いミステリーサークルのように。うーん、まだ残暑はありますが、秋も見え隠れしていますね。はい、前段は短めに。
今日はKeep Shelly in Athensです。ときは2009年、宅録でドリーミーなシンセポップを作ってたMemory CasetteがMemory Tapesと名前を改めて、1stとなるSeek MagicをCDリリース、それとときを同じくして、Washed Outが、Toro y moiが、Neon Indianがそれぞれの音楽的バックグラウンドをもとに、同じフォーマットの音楽を作り始めたのが、チルウェイブの始まり(当時、なんかグローファイとか呼ばれていたこともありましたね。あまり、その呼称は馴染めなかったです)だったかな、というのがチルウェイブに関する私のゆるい認識です。
そして、記憶が確かなら、Keep Shelly in Athensはその少しあとから、遠く海を越えたギリシャはアテネで、同じチルウェイブのアーティストとしてこちらも同時に活動を始めていました。Memory Tapesが結成初期の彼らの楽曲をremixしたりしていました。
そんな彼らが、NY、ロンドン、スウェーデンを拠点にする気鋭のポップレーベルCASCINE RECORDSと契約して、ついに1stフルレングス「At Home」をリリースするそうです。これまでにもシングルやEPは数枚リリースされていましたが、ファンには待望の初アルバムとなるでしょうか。
アルバムからは先行で3曲、RecollectionとFlyway, OostendeがSoundcloudで公開されています。Recollectionはゆるいシンセにはねるビートのアンビエントなドリームポップ、Flywayはニューウェービーなループシンセが響くミドルテンポなダンストラック、Oostendeはスローなまさにチルウェイビーバラッドです。
夏の終わりを締めくくるにふさわしい、グッドなサウンドトラックになってくれることを祈りつつ、リリースを待ちたいと思います。そしてその際には、ボーカルSarah Pちゃんの相棒、もうひとりのメンバーでサウンドプロデューサーであるRΠЯ氏の名前の読み方が解明されることを祈っております。グリークはちょっとさすがに読めない。。。 でも、ギリシャ料理もギリシャ神話も好きです。
最後に、いくつか過去のビデオを。
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The Shilohs - So Wild
カナダといえば、アーケードファイアのモントリオールや、ブロークンソーシャルシーンが活動拠点にしているトロントなど、えてして西側地域がインディーシーンのメイングラウンドとなっている印象がありますが、The New Pornographersなんかが活動している東側のバンクーバーは、また少し違った印象の地域です。(あ、でもDestroyer先生とかGrimesとかYoung Galaxy、Japandoroidsなんかもバンクーバーですね。)
あの近郊は、森と山に囲まれたカナダの中でも、山深い地域で、とあるありがたい植物を栽培しながら、オーガニックな暮らしを送る人々が多い地域らしいです。けっこうその手の話では悪名高いとある町があって(そこはバンクーバーから西に数百キロ離れていますが)、じつは昔その町にホームステイをしたことがありました。中学生だったので、それらしいカルチャーとは無縁の楽しい時間を健全に過ごしたのですが、確かにホストファミリーが庭で二階建ての家を自作していたり、裏手を流れるけっこうな急流でカヤックに挑戦させられたりと、なかなか自然と一体の自由な暮らし向きの片りんを体験していたのをなんとなく覚えています。
前置きが長いうえに、あまり本題と関係なかったですね。。。で、本題はこちら。
バンクーバーのLight Organ RecordsからフルレングスSo WildでデビューするThe ShilohsがメイントラックのGet Ready Nowのセッション動画が公開になっていました。
アナクロニスティック(=時代錯誤)な、という自称の通り、The Byrdsを引き合いに出されるようなカントリールーツのクラシカルなロック、ジャングルポップサウンドのバンドです。ほかにも、Big Starの名前が出ていたり、ロコなメロディの曲からは西海岸サウンドの影響も感じます。
ちなみに、アルバム自体はSoundcloudで公開されています。(こちらのプレイヤーで聴けます)
ピアノにブラスセクションが入ったショートトラックThis is Vancouver Musicで幕を開け、ギターの音色にメロトロンがからむSister Rose、タンバリンが海風を誘うウエストコーストポップのLittle Vallemtine、そして、Place Where Nobody Knowsへ。
The Shilohs - The Place Where Nobody Knows I Go from Light Organ Records on Vimeo.
個人的なアルバムハイライトは、スィンギンな70'sポップのInternational Appealです。フォーク、ブルース、ポップと、さまざまな顔をのぞかせる作品性ながら、ほぼ全曲2分か3分にまとまっており、さらっと聴くことができる、良質なポップアルバムになっています。アルバムのプロデューサーであるDavid Carswellは、John Collins(ex.The New Pornographers, Destroyer)とともにスタジオJCDCを経営しており、本作はそこでじつは2010年の夏にレコーディングされていたようです。
バンクーバーの音楽シーン。掘れば掘るほど、興味深いバンド、アーティストが見つかりそうですね。
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(((さらうんど))) - 君はNew Age
ラッパー、トラックメイカーの鴨田潤ことイルリメと、Crystal, K404の二人からなるDJ、テクノユニットTracks Boysの3人が、ポップスを追求するアーバンなユニットを組むという話はオーストラリアにいる間に耳にしていて、CDは手に入らなかったのだけど、ネットで聴ける範囲で曲だけは聴いていた。いままでのイルリメさんの音の延長線上にあるようで、少し違う、詩の世界も、日常や現実を下敷きにしたリリックから少しアブストラクトな方向、まさにポップスとしての浮遊感や、少しだけ日常から離脱した感覚を備えた、しかしイルリメさんらしいメッセージ性もはらんだ作品になっている気がしていました。よもや、その方向が加速し、2ndが出るとは思ってもいなかったのだけれど。しかも、表題曲のプロデューサーは砂原良徳さんだ。
メイントラックの「君はNew Age」は、キラキラとしたアナログシンセの音色にパーカーッション、いつものラップとは一味違う、歌詞を音に載せるというよりは溶け込ませるようにうたうイルリメのヴォーカルが心地よく、詩と曲の集合体としてのポップスがここに完成しています。
もともとイルリメは、その独特すぎる完成をそのままに、むき出しのエモーションをどうにかある種の理性と論理で一度咀嚼し、それを形にするという、冷静と情熱のあいだをしっかり掴んでいる稀有なアーティストだと思っています。昔、じつは一度雑誌の企画で彼に曲を提供してもらう機会があり(会いたいから自分で勝手にその企画を立てて、強引に推し進めた結果ですが、、、雑誌なのに曲ってね。音源はWebで公開しましたが。)、その時の印象は、関西人らしいユーモアと強烈にユニークなアイデンティティをふりまきながらも、そのじつ至極常識人であり、物事を鋭くとらえ、俯瞰することができる人だというものでした。それは、数々の名曲群を聴いていけばあきらかで、ファンならだれもが知っていることだろうけれど。
ところで、、(((さらうんど)))のオフィシャルHPで3人と砂原さんによる対談が掲載されていて、それがポップスとはなんぞや? という話にまで及んでいて非常におもしろいです。
とくに、いままでポップスというジャンルの音楽に関わってはこなかったと語る砂原さんが、こう語っているのが印象に残りました。これは音作りに関して。
ポップスはやっぱり場面展開というか、起承転結が必要で、ずっと同じじゃダメなんですよね。「こう行ってこう変わって最後はこう」みたいな、上手くパズルみたいになってなきゃっていう。音楽って、聴いてる方が何かを待ってるようじゃダメなんですよ。来てほしいときに来るでもちょっと足りない、その来てほしいちょっと前ぐらいに変わるのがよくて、それがずっと続くから最後まで聴けるんだと思うんです。これは、いまやアイドルポッププロデューサーの代表格でもある、ヒャダインこと前山田健一の作曲理論にまっすぐコネクトする内容です。
さらに、
ポップミュージックって複合メディアですから、音楽だけで勝負してる人なんていないんですよね。必ず曲タイトルとかジャケットをつけるわけで、その時点で、純粋な音楽ではないですからね。言葉にしろグラフィックにしろ、全部そういうものがごちゃっとなってるのが、ポップミュージックの核だと思うんです。ホントに純粋に音楽だけやるっていうのは難しいですよ。曲にタイトルつけられないですから。昔は「交響曲第何番」とか数字だったけど、それに「運命」とかつけた時点で、もう文学的になるじゃん?そういうもんですよね、ポップミュージックって。とも言っていて、ジャパニーズテクノの最前線でインスト音源を作り続けていた人にも関わらず、ここまでポップフィールドへの理解があるのは、自身が明確に自分の立ち位置を意識しながら、相対的な音づくりをしていたゆえんなのかなぁ、などと思ったりしています。
とまれ、この4人のポップミュージックへの理解と態度はとても潔よいと感じます。プロダクトは細かく計算して作りこまれてはいるけれども、気軽に曲に触れてもらい、どこかリスナーを元気づけたり、少し心を軽くさせることができればいいというような、ポップミュージックに人々が求めるごくごくかすかな、でも普遍な欲求を満たすことができればいいという思いに溢れています。
長らくインディー、アンダーグラウンドのフィールドで活動をしてきた人たちだから、そこで求められれてきたディープな知識やセンス小手先の技術などがフックにならない「ポップス・メインストリーム」という世界でどのような音を紡いでいくのか、そこがとても気になるし、追いかけていきたい。単純に、曲が素敵ですし。
少し話が逸れますが、
いま日本にはおもしろいポップスがあって、それはアイドルポップであると思うのですが、これが盛り上がっている理由は、
1.アイドル本人たちのアイデンティティーやメンタリティを含むキャラクターの質のよさ、
2.ボカロに始まり、ロック、パンク、HM/HR、ヒップホップ、エレクトロ、AORなどなど、楽曲自体の多様性が増していること、
3.そしてネットのプロモーションと現場のバランスをうまくつかんだ絶妙な運営がなされていること,
の3つがおもな理由であり、その3つが密接に影響しあっているのだと思います。
それぞれについて細かい言及をすると長くなりすぎるのでそれは割愛しますが、ざっとだけ説明します。
いままでのドルオタみたいな人たちは1しか興味がなかった。しかし、そこに2に興味を持つような音楽好きがフックした。それに加えて、3のYoutubeやUstをうまく使って楽曲やアイドルの人柄的魅力に触れる機会を多くし、さらにライブなどの現場での盛り上がりを魅せることで、ライトな層にもリーチしたこと。こうして、ファンの分母を増やしていっているのではないか、というように自分なりに分析しています。
まさに、上で砂原さんが発言している複合メディア。入口は多く設けられていて、入った後、どこに楽しみを見出すかも千差万別。マナーはあってもルールはなく、それぞれが楽しめばいい。これがポップ、つまりは最大多数の最大幸福を実現する、エンタテインメントの理想形なのではないか、というわけなのです。
いやはや、なんだか長文なうえに支離滅裂な文章を書いていますね。つねづね、インディーロックとは、ポップミュージックとは、メジャーとは、アングラとは、日本と世界との音楽の扱われ方の違いとは、、、などなど、とりとめのないことを考えてるせいか、それが一部どっと出てしまいました。暑さのせいかな。。。 クールダウン用に、(((さらうんど)))の曲をぜひ。
ポップスの世界は、コネクションがもたらす化学変化なんかもコンテンツにメリハリを与えることが多くて、その多くはコラボレーションといったものですね。ももクロのサラバを布袋さんが書いている、というのが世間的には有名なのでしょうが、一昨年、まさかThe Go! Teamのイアンがももクロに、労働讃歌などというファンカデリックジャズチューンを提供していて、その曲がいまやライブ屈指のパワーソングに育っていることなど、かえすがえす、何が起こるかわからないコラボの魅力を体現しているなぁ、などと思うわけです。
そういえば、当時イルリメさんを知って、そのつながりで知ったアーティストは多く、イルリメの盟友やけのはらもそう、ECDやキミドリといった90’sのJ-ラップレジェンドから、サ上とロ吉、TofubeatsやEvisbeatsなどの関西勢やアングラテクノ、ラップのグループに興味を持ったのもそうしたつながりからでした。Raw Lifeでデデマウスが爆発する前に、まだ無名だった彼のトラックを絶賛していたのも、当時イルリメとライターの磯部涼がやっていたラジオで、それを聴いて、即高円寺の沖縄料理屋の地下にある狭いハコに観に行ったら、背の低い「ダイスケ」と呼ばれてるお兄ちゃんがアカペラでビースティーボーイズを歌っていて、それがデデマウスだった、なんてこともありました。このあたりのシーンはそのままDommune界隈ともつながっていて、縦にも横にも広がっていく感も備えていましたね。ポップスの話からまた逸れました。。。
ポップスの話をしだすと、はっぴいえんどから大瀧詠一、山下達郎などの、J-POPオリジネイターの話を本当はまずしなければいけないところなのですが、まあそれはおいおいやるということで、尻切れトンボ的ではありますが、今日はこの辺で。
夏と言えばサイダーとポップス、なんてイメージなので、夏を感じる私選トラックをいくつか貼って終わりにします。
夏の雰囲気を感じるトラックと言えば、相対性理論の新曲、You & Idolも素敵でした。浮遊感のあるギターにスティールパンの響き、やくしまるのウィスパーと、ふわふわ度満点。夏のチルな雰囲気に合いますねー。
明日は登校日!
together PANGEA - Snakedog
興味のある新人がいたので、なんとなくメモ的にポストを。彼らはtogether PANGEAというロサンゼルスのガレージパンクバンド。音の内容はとくにひねりのない、古式ゆかしいガレージパンクです。こういう、おしゃれでもゆるくもなく、新しさもない音楽、けっこう好きなのです。
最新の公開トラックはSnakedog。HivesとかVinesかと思わせるようなイントロから、ラウディなギターが響いてきていいですね。ピッチフォークではKing Tuffを引き合いに出されています。ドラムアウトからのギターソロも褒められていますね。(そこ、私もいいと思います!)
バンドは、10代のころからSSWとして自主制作にいそしんでいたフロントマンのWilliam Keeganを中心に、リードギター、ベース、ドラムの4人編成で2008年に結成。パンク・ローファイ系のロックバンド、PANGEAとして活動をしていたようですが、いつからかtogether PANGEAに名称を変更。Burger RecordsやほかのレーベルからEPやらテープやらのリリースもありつつ、並行してそうそうたるバンドのサポートアクトを務めてきているようで、そのリストにはWavvesやThe Black Lips、FIDLARにTy Segall、Mikal Cronin、果てはRedd Krossやギターウルフの名前もあります。
Snakedogは、Death GripsやWhite Liesなんかが所属するHarvest Recordsから7'として出るほか、フルレングスも予定されているようで、これは楽しみです。
こんなローファイポップもやってます。
どうしようもないタイトルの曲も最後に。
あともう一件、パンク系だとBronchoが気になる。これはあとでいろいろ掘ってみますが、とりあえずこの2曲がおもしろくていい感じ。2年前のアルバムを、こないだ自主再発したみたいです。
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Cults - I Can Hardly Make You Mine
レトロスペクティブな音を鳴らす、NYのインディーポップデュオ、Cultsの10月に出る新作「Static」から、I Can Hardly Make You Mineが公開されていました。
今回のアルバム、アニコレのMerriweather Post PavillionやWashed outの新作Paracosmのプロデュースを手掛けたBen Allenが同じくプロデュースワークを担当するということで、ドリーミーサイケなものに仕上がるのかと思いきや、目指したところはウォールオブサウンドだったようで(わかっていらっしゃる!)、Cultsとの相性抜群な仕上がりになりそうです。期待大です。
出だしこそガレージちっくなノイジーなギターと野太いベースラインですが、フィルターを通したような特徴的なプロダクションでヴォーカルやフィードバックノイズにエフェクトをかけつつ、Cults特有のヴィヴラフォンが響くいい感じのトラックになっています。なんといっても、甘ったるいけど甘すぎない、Madellinちゃんの声が本当に好きです。
昨年、Lanewayで観たときは、あまりの生音のひどさというか、Cultsのサウンドと野外フェスとのミスマッチ度合いに、大丈夫なのか? と思ったほどですが(実際そのときのインタビューで、自分たちのバンドの音とファンが求めている音にギャップを感じると語っていました)、そのあたりは割り切って進んでいるようです。ぜひ次回は太陽照り付ける、海辺の少し風が強すぎる場所ではなく、ライブハウスか、そよ風の吹く夕暮れの小さめのステージで観てみたいです。
にしても、Cultsの1stは名曲ぞろいでしたねー。
そういえば余談ですが、CultsのツアーバンドのメンバーでもあるMadellinちゃんのお兄さんのRichieがやっているバンド、Guardsも今年はじめにアルバムを出していまして、こちらもクラシカルなインディーポップでとてもいいです。要チェックだと思います。
それにしても、Cultsもまあサポメン含めてみんな(ほぼ)みんなロン毛ですけど、
Guardsもですからね。
この様式美。あぁ、なんともロン毛だったころが懐かしい。ロン毛を振り乱して踊る(隣の人に迷惑にならない程度に!)のって、やったことのある人ならわかってもらえると思いますが、より音楽に入り込めるんですよねぇ。。。 などと、若葉のころをふと思い出しました。
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Laura Veirs - Sun Song
ポートランドのLaura Veilsといえば、The Decemberistsの名盤、The Crane WifeのYankee Bayonetでコリンとデュエットしていたメガネっ子女子系SSWということで(私に)知られているわけですが、けっこう多作な彼女の新作(なんと9枚目)Warp and Weftから、Sun Songのビデオが公開されています。
ローラの歌声とギターにストリングスがからむ今回のSun Songには、ショーン姉さんと並ぶインディー界の2大ネコさま、Neko Caseがコーラスに参加しています。
彼女、DecemberistsやNekoだけでなく、My Mornig JacketやSufjan Stevensなど、多彩な顔ぶれのインディーコネクションを持っているわけですが、それは彼女のパートナーでもありプロデューサーでもあるTucker Martineによるところも大きいのでしょう。
タッカーは、上記のバンド以外にも、R.E.M.やBeth Orton、Mudhoney、Thao and the Get Down Stay Downなど、多数のバンドののプロデュースワークを手掛けている人物。ローラのレコーディングは彼のスタジオで行われ、楽曲にも参加しています。知る人ぞ知る、インディー界のプチ大物ですね。
ところが、この夫婦はそういう名声のようなものには無頓着なようで、ほのぼのとした家族の様子(息子ふたりいる)をブログにアップしたりしているなど、柔らかいアコースティックな彼女の楽曲同様、なんだか好感のもてるふたりなのです。
幼少期から聴き続けているフォーク、カントリーミュージックをルーツに(一時期ガールズパンクもやっていたらしい)、美しくて繊細なアコースティックワールドを届けてくれる彼女の楽曲をいくつか貼っていきます。
アニメーションのビデオも素晴らしい、Saltbreakersのビデオ。
MVコンテストの優秀作品(?)のわりには、、、という謎のクオリティのビデオはともかく、ストリングスやキーボード、フルートなどの音が軽やかなメロディにからむポップトラックDon't Lose Yourselfのビデオ。
Phantom Mountainはパンクの名残を感じる曲。そういえば、ツェッペリンのThe Oceanをカバーしていたことも。
Wreckingは、ほとんどギターアルペジオとローラの歌声だけのシンプルな曲。
7thアルバムのJuly Flameは彼女の作品の中では一番聴いたかもしれません。
暑いのはぜんぜん嫌いではないのですが、ある程度のチルアウトはやっぱり必要で、そんな時間に彼女の曲はとてもいい塩梅に響きます。そんなこんなで一日を終えようとしていますが、ツイッターのTLなんかを見ていると、今日、明日はサマソニなんですね。行く人は楽しんでくださいね。
なんせ、夏は季節の王様、ですからね。
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White Denim - Pretty Green
2010年の「Last Day Of Summer」、そして 2011年の傑作アルバム「D」では、パンク、グランジ、サイケ、フォーク、エクスペリメンタルと、多彩なサウンドを披露してくれたテキサスのバンドWhite Denimの2年ぶりの新作Corsicana Lemonadeから、新曲のPretty Greenが公開されています。しかも新作のうち数曲には、WilcoのJeff Tweedyが参加しているようです。アルバムは10月予定のようですね。
うねるビートに、70'sガレージパンクっぽいリフ、それに言い放つようなボーカルとコーラスがからむエピックチューンです。あー、これは本当にいい曲です。このグルーヴ感。
クラシカルなバックグラウンドを感じさせるスタイルながら、一枚のアルバムで見せる多彩な側面と、メロディアスなパートとソリッドなパートのバランスは、限りなくエクレクティックで斬新なまさにWhite Denimにしかできないスタイルを確立しているなあと、常々思いながら聴いています。
Last Day Of Summerのころは、わりとビーチボーイズ系の音も多かったのですが、
Dになると、グランジ、パンクからの引用がわかる性急なビートのトラックが目立つ感じに変化してきます。まあ、そもそもLast Day~は彼らがサマーチル用のBGMとして制作した、フリーDL音源なので、それも当然と言えば当然なのですが。
インプロっぽく響くグルーヴィなインストジャム、At the Farmはお気に入りの一曲です。来日を熱望しているバンドのひとつですね。
来日が決まった際には、ぜひコルシカ島産ミントとレモンのレモネードを飲みながら、野外で観たいです。またつぎの夏にでも。
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The Polyphonic Spree - Yes It's True
The Polyphonic Spreeのじつに6年ぶりにもなるニューアルバムが素晴らしい。(じつは去年のホリデーシーズンにクリスマスコンピアルバムを出していたみたいですが、知りませんでした)
こちら、おなじみPitchfork Advanceにて試聴ができます。
音楽のポップサイドを、カルトな雰囲気をたっぷり漂わせながら歩く、混成合唱団バンド。正式な人数が何人なのかは、知らないし、そのときどきによって変わるので、知らなくてもいいと思います。
すべては、バンマスでありフロントマンでもあるTim DeLaughterにゆだねられています。最新のアー写真を見る限り、ティムは若きカルト団体のリーダーあら、ベテランカルト教祖へとクラスチェンジをしている感じですね。(一応現在教団員は22人編成とのStereogum情報あり)
一聴したところ、これまでのアルバムに通じる、大所帯バンドとクワイアーを従えていることによるダイナミズムは若干薄れた印象ですが、Arcade FireとThe Flaming Lipsのあいだを行き来するような、幽玄なシンフォニックポップは健在です。
Hold Yourself Upは、アルバムのハイライトとなる曲。オーボエかクラリネットのような木管楽器のイントロとはねるキーボードが印象的なアップチューン。
オープニングトラックのYou don't know meもストリームで公開されていました。
The Polyphonic Spreeといえば、2回の来日を観れたのは幸運でした。このときと、もう一回は屋内のステージで、Lithiumのカバーを演ってくれたとき、この2回は強烈に記憶に残っています。
彼らの多幸感あふれたシンフォニックビートでまた踊れる日が来るとうれしいなあ、などと考えながら冷えた黄桃を食べております。暑いです。
彼らの多幸感あふれたシンフォニックビートでまた踊れる日が来るとうれしいなあ、などと考えながら冷えた黄桃を食べております。暑いです。
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Jackson Scott - Melbourne
シド・バレットへのあこがれから生まれた、気だるくやさしいサイケデリアを鳴らす青年。
Jeff MangumやBradford Coxとの共通点を指摘されるも、「いや、そういうインディーミュージックとか言われるものはほとんど聴いたことないです。もうずっと、永遠の憧れはシド・バレットだし、昔からWeezerが大好きでした」と、飄々とした受け答えで、なんだかメディアを煙にまくいていく。
彼はノースキャロライナ在住、若干20歳のSSW、Jackson Scottくん。このたび、1stフルレングス、MelbourneにてFat Possumからデビュー。アルバムの名前の由来がすごく気になります。。。
そんな彼の1stアルバムMelbourneから、リードトラックのThat awful soundのビデオが昨日あたりに公開されていますので、まずはこちらをどうぞ。
大学の本屋でアルバイトをしていたが、タイ・セガールのショーを観たくてサボってその仕事をクビになるようなダメっぷりを絵にかいたような青年は、こつこつとテープに宅録音源を作り続け、Fat Possumと契約した今、学校すらやめてしまったそうです。ある意味、潔い。
アルバムは、完全に60'sヴァイブなサイケポップ。全体を通して、ヴォーカルにピッチシフトをかけることで、異世界な感じを出そうとしているらしいが、影響がないとはいえ、やっていることはローファイマインドそのものである。
Foxygenにも通じる60'sポップのSandy、
PixesのようなフィードバックノイズのTogether Forever、
ピッチフォークいわく、今年一番聴いていてクラクラする軽薄なトラックと評するAny Way、
などなど、全12曲、30分。インディーであることを否定するも、どう考えてもインディーイズムの泥沼に自ら足を踏み入れているようにしか思えない20歳の彼から、なんとなくこれからも目が離せそうにない。
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