Posted by : A kind of Lo-Fi Jun 21, 2013


 ブログを始める目的のひとつに、インディーレコードレーベルのことをまとめる記事を作っていきたい、というのがあります。
自分の中でレーベル間の違いや横のつながりなんかを意識するために、少しだけ体系的な理解の仕方をしたいな、という思いがあるからなのですが、順不同でちょこちょことまとめていければいいかと思っています。

そんなこんなで、第一弾はKanine Recordsを紹介します。

 いま日本は梅雨の真っ只中ですが、真夏感満載のインディーアーティストたちが名を連ねる、ブルックリンのレーベルKanine。

5月にちょうど10周年を迎えた、リオとカイのカーナイン夫妻が運営するレーベルです。SubpopのOxford Collapse(すでに解散)なんかも名を連ねている当時のブルックリンのインディーシーンのまさにネクストウェーブを集めたコンピレーション「NY: The Next Wave」のリリースを皮切りにレーベル運営をスタート。地元の才能あるバンドの発掘に取り組み、Grizzly BearやChairliftらのヒットとともにレーベルの運営も軌道に。ここ数年は、再び新人に力を入れているように感じます。

で、「真夏感満載」の部分なんですが、このレーベルの所属バンド、なぜかストレートな夏っぽい名前が多い。

いまやレーベルの看板バンドのひとつに成長した、新譜Pythonsも好評なSurfer Blood。

つぎに、アジア系のフィメールボーカル、ニコルの伸びやかでどこか幼いな歌唱とストレートなメロディが特徴の シューゲイズ/ドリームポップ・パンクバンドEternal Summers。You Killの疾走感が素敵。



Beach DayはTrip Trap Attackで先ごろデビューした3ピース。こちらも ロネッツやシャングリラズなどの60'sガールバンド、サーフポップ、ガレージ、ドリームポップの影響を真正面から受けた新鋭。ヴィヴィアンガールズへのフロリダからの回答って感じ。いや、回答してどうする、という感じなのだが。VoのKimmyいわく、ただひたすらに生まれたフロリダの太陽を歌い、ファンを楽しく躍らせることにフォーカスしてるとのこと。いさぎよく、踊らされるが勝ちな感じのポップス。

ここでアルバム全曲聴けますね。


今夏、アルバムComfortでデビューするSplashhhは経歴がおもしろい。バイロンベイ(オーストラリア西部の、サーファーとヒッピーのパラダイスw)で出会ったニュージーらんどい出身のサシャとオーストラリア人のトートが、ヴァカンスを延長したい目的でロンドンに移住、それを経てバンドを結成。ここにも異なる地からの、夏の影響がある。夏の泡沫を少しでも長く……的な? まあ、なんかダメな空気も感じ取れますが。。。 サウンドは90'sに影響された、ディストーションとドリーミーっぽさがないまぜになった感じ。メロディもよく、注目できる存在です。I need a long vacation~♪と歌うVacationがいいです。



という感じででしょうか。まあ集まっているのはたまたまなんだろうけど、みんなそれぞれのバックグラウンドから夏、海にインスパイアされて、いまポップミュージックをやっているバンドたち。好きな季節は夏の私からすれば、無条件に愛すべきアティテュードとも言えます。

ほかにも、アートスクールのプロジェクトで結成された(という理由がしっくりくる)ドリームポップバンドのFear of the manなんかもいい感じです。Seerのビデオの幻想的な雰囲気もいい。


ここまできていて、Surfer Bloodの新譜についての言及がない、とかいう声もありそうですが、まだ一度しか聴けてないのでそれはいずれまた。
ピッチフォークの点数はそこそこだった気がしますが、完成された彼らの音だったと思います。すごく好きな感じの。

レーベルとしては、観客は昔はCDを聴いてライブに行っていたのが、いまはライブで観かけてよかったバンドのCDなら買う、って感じになっていることを敏感に感じていて、いまは何よりもライブを大事にしているそうなので、日本への来日も希望したいですね。

それでは、こんな感じで、これからもなんとなくレーベルの話をさらっと書いていきます。きっと。

最後にすごい余談ですが、iPodのCMにChairliftのBrusiesを使ったとき、Apple側は異なる5曲で5パターンのCMを作って、どれを実際に流すのかは事前にKanine側にも伝えなかったそう。
曲が使われているのを知ったのは、たまたま通りかかったアップルストアで流れているのを見たときで、オーナーのリオはとても驚いたそうです。懐かしい、あのCM。それではまた。


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