Posted by : A kind of Lo-Fi Jun 23, 2013

 
 随時、気になったトピックやニュースなどのショートコラムなんかも書いていきたいと思います。今回は、Pitchfork Advanceについて。



 ピッチフォークが2013年から始めた、Pitchfork Advanceは、発売前の新譜を期間限定でエクスクルーシブに配信するコーナー。アルバムを通しで聴けるほかに、アートワークやトラックリスト、簡単なアーティストバイオグラフィなども同時に掲載し、単なる音源先行試聴機会の提供に留まらない、複合的な音楽体験を提案するものだそうです。
というのは、「昔のCDやLPはアルバムアートワークやクレジット、歌詞、バイオなどを含めてひとつの作品だった。それが、デジタル配信の世界になって、そういった作品の複合感が薄れてきている」とピッチフォークが感じているからだとか。
それらすべてを含めてひとつの作品、という「パッケージ」をWeb上に再現する目論見としてPitcfork Advanceはデザインされているらしく、確かにビジュアル面でも楽しめるサイトの作りになっています。いつまでも実験的な精神とフィジカルなプロダクトへの尊敬を忘れない、ピッチフォークらしい思い付きだと思います。
音楽ファンにとってはピッチフォーク版の、NPRのFirst Listenみたいなものとして重宝しますので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、公開される作品は1~2週単位で入れ替わる(詳細は未確認です)ようで、いまの私のオススメはAll Tiny Creaturesの2ndアルバムDark Clockです。
All Tiny creaturesは、Bon Iverのジャスティンが参加するVolcano ChoirとCollections of Colonies of Bees(数年前の来日見逃したのをいまだに後悔中)のメンバーでもあった、トーマス・ウィンセクが率いるバンド。



音は、ピコピコ系エレクトロシンセが効いたシンフォニックポップ。適度にゆるく、ハーモナイズされた曲調の曲が多い反面、前作のようなミニマル~ポストロック調のトラックも含まれていてバラエティに富んだ一枚になっています。歌モノ度は上がっていますが、総じてカラフルでドリーミーだった前作Harborsの延長線上にあり、ファンなら要チェックの一枚です。



彼らの本来の生演奏スキルを覆い尽くすほどの打ち込み音源の多用っぷり、、、なる批判もあるようですが、私にしたら心地よいまとまり具合です(作品へのこういった評価は、結局バンドへの思い入れとか嗜好性によりますしいろいろな意見があっていいですよね)。


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